久我くんの過保護が止まらない!
その場にいる全員が思っただろう。

転校初日とは思えない勢いである。

一直線に陽菜の席へ向かってくる。

「陽菜さん!」

「は、はい」

「兄ちゃん知らない!?」

「知らない」

即答だった。

陽菜は知っていた。

湊が昼休み開始と同時に逃亡したことを。

いや。

逃亡という表現が正しい。

チャイムが鳴った瞬間、

『用事。』

と言い残して消えた。

絶対避難である。

「兄ちゃん逃げるんだもん!」

渚が不満そうに頬を膨らませる。

「朝からずーーーーっと!」

「まぁ……」

それはそうだろう。

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