儚い君と恋をする。
「お前、食い意地張りすぎだろー、まぢ色気ねぇな。おら、前見て歩かねぇと人とぶつかるぞ」
「だってだって…お祭りに来るの久しぶりなんだもんっ!……っわわ!!」
すれ違う人にぶつかってしまった私は体がぐらりと揺れる。
すると、伸びてきたれいくんの左手がぐいっと私の右手を掴むと力強く引き寄せられた。
「…はぁ本当に…言ったそばからぶつかってんじゃねぇよ…ったく」
少し怒ってるような呆れたようなれいくん。だけど、私の右手を離さずに握ってくれている。
「しゃーねーから、約束通り手繋いでてやるよ」
ぶっきらぼうにそっぽを向くれいくんは、繋いだ手にぎゅっと力を込めた。そして、耳は少しだけ赤くなっていた。