儚い君と恋をする。

「外せないなんて……やっぱり私のこと、体のどこかで……覚えてくれてるんだよ……っ」


それだけで、私は今幸せだった。

私は涙をポロポロとこぼしながら、彼に向かってとびきりの満面の笑みを向けた。


「私の想いの強さ、すごいでしょ?
私の叶斗くんを想う気持ちは最強なんだからっ!

どーだっ!参ったかぁ!ふふふっ!」


あの日と同じ台詞を言う私に、叶斗くんは一瞬だけ目を見開くと、視線を逸らした。少しだけ叶斗くんの耳が赤くて、懐かしい気持ちになってあの頃とおなじ台詞をまた繰り返す。


「…まぢで何言ってんのか意味わかんねぇ…」

「ふふっ、叶斗くん照れてる〜っ!」

「あ?生意気っ!照れてねぇよ」


やっぱりれいくんは叶斗くんだ。あの日と同じ台詞が返ってくる。


だけど、今日も叶斗くんは頭を痛がりだす。


「…うっ…痛ぇ……くそっ…お前といるとまぢ頭痛くなるんだよっ……お前まぢでなんなわけ?」


「…ご、ごめんっ、大丈夫?」


心配で私は叶斗くんに近寄り顔を覗き込むと、苦しそうに顔を歪ませる叶斗くんは私から視線をそらした。


「…痛すぎてやべぇ……わりぃけど帰るわ……また明日な」


叶斗くんは、心配する私を他所にそれだけ言い残しフラフラしながら帰って行ってしまった。


本当はまだまだ話したい一ヶ月なんてあっという間だそれまでに…なんとかっ


「叶斗くん…少しは思い出してくれませんか……」


私の小さなつぶやきは誰もいない静かな夕暮れの中に溶けていった。

< 93 / 93 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらは続編になっております。 まずは前作『婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~』を、読んでいただけると嬉しいです。 • ──────── ୨୧ ──────── • やっと気持ちが通じあった二人の新たな物語 不思議な魅力でみんなを巻き込む はちゃめちゃ侯爵令嬢 リリィ・ロゼッタ ‪‪✕‬ 空から降ってきた令嬢リリィに恋をした 甘いマスクで女性に人気の公爵 ギル・レイヴン 気持ちが通じあって幸せな絶頂の中 ──ある日ギルの元へ届いた国王様からの一通の手紙。 それは…… 『新たな貿易交渉のため、隣国へ長期出張せよ』 という通達だった。 交渉ができるまで、数ヶ月は帰ってこられない。 「……ギル様と離れるなんて嫌っ!!」 ギルと離れるのがどうしても嫌なリリィは…… まさかの『男装執事リオ』復活!! そして、ギルと共に隣国に渡ることに…… そこで待っていたのは、新たな王子たち。 リリィの持ち前の明るさと規格外のはちゃめちゃで 隣国の王子たちを巻き込んでいくっ!! 「君は……いったい……」 「ひゃあーっ!!やっちゃったぁぁ!!」 相変わらずなおバカっぷりに早速の女バレ…… そしてトラブルの嵐……っ!!! 隣国の美しき第一王子がリリィに求婚?! それを見たギルのヤキモチと嫉妬が 限界突破で大爆発。 「リリィ……お前は誰のものだ?言ってみろ」 【身バレ×逆ハー×溺愛×嫉妬】 • ──────── ୨୧ ──────── • ✮*。゚前作でのレビュー・感想✮*。゚ ayano1029さん、はるさん、えんさん みりいさん、ひめかさん、カリメロさん タマさん、ぴぴまりさん、Akiさん misoraさん、しーふぁ+さん ありがとうございました⸜(* ॑꒳ˆ* )⋆*☆ またきがる〜に、コメントいただけると とても励みになります! リアル多忙の為、不定期更新なりますm(_ _)m ではでは、隣国編スタートです•*¨*•.¸♬︎
表紙を見る 表紙を閉じる
\異世界ラブコメ×ハッピーファンタジー/ 「いやっほぉぉおお〜い!!!!」 バンジーした侯爵令嬢の先にいたのは 甘いマスクの公爵様の頭上でした 「ど、どいてぇぇぇえ!!!!!」 「…は?」 そんな最悪の出会いを果たした二人 リリィ・ロゼッタ侯爵令嬢 ふんわりとした淡いピンクの髪に澄んだ水色の瞳 透き通るほど白い肌と華奢の手足 お人形のように可愛いらしい見た目とは裏腹に 残念なほどに自由でお気楽なお転婆令嬢 ギル・レイヴン公爵 サラサラとした綺麗な黒髪に綺麗な青色の瞳 あまりにも整った顔は女性たちを引き寄せる 社交界で圧倒的人気を誇っていた 表では甘いマスクを被る彼の裏は…… 空から降ってきたリリィに恋したギルは 国王命令での婚約を申し込む とある事情で絶対婚約したくないリリィは そうだ!男装執事として生きていこう! 【修行してきます。私は元気です。】 謎のリリィらしい手紙を残して逃亡 だけど……配属されたのはレイヴン公爵家だった 「その瞳の色……」 「!!!」 鋭いギルに男装がバレそうなリリィ ドキドキしながら男装執事として働くリリィ そんなリリィは、屋敷でいろんな人間と出会う! リリィの自由気ままさにみんなが狂わされていく… そしてリリィは人と関わる楽しさに目覚める こーんなに楽しい今世は最高ねっ!! ※完結しました。 他サイトでも掲載予定です
─美形ストーカーの狂愛─歪んだ愛が迫り来る。

総文字数/14,875

恋愛(キケン・ダーク)21ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
狂気じみた歪んだ愛情を持つストーカー 黒木 愁(クロキ シュウ) × 狂気じみた彼に捕まる女の子 桃瀬 乃愛(モモセ ノア) ある日ストーカーに助けを求めたことから はじまった最狂の恋物語。 「今日もどうせいるんでしょ!!!! いるんだったら私のことを助けてよ!!!」 「いいよ」 その瞬間ゾッとするほど美しい声が聞こえた 目の前の男たちは一瞬で吹き飛ぶ そんな最恐で最狂な男に愛された乃愛 目を奪われるほど美しくて綺麗な男の子 誰も寄せ付けないほど恐ろしい雰囲気 「あいつら全員殺してあげようか?」 狂気じみた彼はいつも美しく恐ろしい 溺愛というより狂愛 ※こちらはまだ試作品て感じです。 全てのジャンルをとりあえず書いてみたい そんな初心者です(´∩ω∩`*)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop