偽りの無い貴方を助けたくて
次の日。
散々な空気を一変して、朝早くから中庭にやって来た。
「奇遇だな」
振り向くと、霧の薄い膜を切り裂いて晴海先生が現れた。
「隣いいか?」
晴海先生は私の隣りに座って、朝日が顔を出しそうな直前の山の山頂を二人で見ていた。
と言っても、何も話すことはなく………。
ただただ、気まずい時間が流れるだけで。
気まずいから、アンパンなんてすぐに食べ終わってしまった。
こう見えて、急いで逃げるようにやって来たものだからーースマホも忘れてきちゃったわけで。
ふと後ろを見る………1台だけバイクが。
黒光りして手入れされてるんだなって、思うような美しいバイクだった。
「それ、俺のだ」
「先生のですか?」
「自動車はあるんだけど………バイクってのはいいもんだな」
跨ってる晴海先生の姿が目に見えた。
「……自動車が嫌いなんですか?」
「嫌いってわけじゃなく………乗せたくないんだよ」
誰を?
ーーって聞こうってしたけどやっぱり辞めた。
「先生も朝ごはん、アンパンなんですか?」
無表情で貪る、晴海先生は童話の王子様のようにカッコいいのにーーー何処か哀愁じみてて。
「これか?
1日の食事だ」
「へぇーーーって、え?!?!」


