偽りの無い貴方を助けたくて
知られてるよ、って、どうゆう意味と聞くと「晴海先生を女校長は狙ってるんだってことを前々から噂されてるの、知らないわけ?」
って、半ギレされた。
半ギレされたのは、教室内で例の画像を見せていたから。
だけども、確かに周りはそんな格下の女のやる事なんて興味もないといった感じで、皆、話したいことを自由に話してる。
「これは……非常事態じゃないの?
だって、晴海先生はーー六歳の娘さんがいるイクメンパパさんじゃん………」
希はもう真上を向いて、はぁと大きな台風が出来そうなくらいのため息をついて一言話した。
「アンタは、余計な事をしないの。
あの女校長はね、学園を仕切って女子生徒の人生を終わらせる最低最悪の教師なの!!
何回アタシの仲間に退学というカードを切り捨ててきた女なのか覚えてないわけ?」
覚えてるわけないよ……だって、退学が人生のすべてを決めるわけじゃないでしょ?
「………もういいわ、と・に・か・く!!
あの女校長と、もう晴海先生の件は近寄っちゃ駄目!!
女子生徒をイチャモンつけて、自分の思い通りに行かなかった人を退学させる悪魔何だから、何されるかわかんないわ。
とにかく、その写真を今すぐ消して!!」
すっと、希の手が伸びてきて反射的に、仰け反った。
これは………だからといって、おかしい。
そう思ったのは、私は皆が笑って学校を過ごせればいいって。
そう心の奥底で、理想を願いながら学校に来ているのもあった。
吐き気がするから、保健室行ってくると希をおいて今度は保健室の常連、百合に助けを求める。
ちょうど、保健室の先生がいなくてよかったな。
だなんてシャッターに手を加えて広げると百合が、泥棒に命を狙われているかのように小刻みに震えていた。
「百合ちゃん、話があるの……」
眼に焼き付けられた真実を、私は百合ちゃんに伝えた。
百合ちゃんは、眼鏡をクイッと上げて、震える声で一言、話そうとしたかと思えば、また毛布にダンゴムシの様にくるまった。
「………無視したほうが………良いんじゃないかな………」
カラカラに乾いてしまった雑巾を、絞って水分を取り除く様な力んだ声を、百合ちゃんは発していた。
何だか申し訳ない気持ちになって、ごめん……帰るね、と話そうとした時。
「でも……あんな明るい先生が傷つくのももっと嫌」
と、ポツリと呟いた。
「何かしら、方法はあるの?」
と、私は、尋ねた。
「………無いことはない。
でも、私達に出来ることはーー大人の力を借りる事だろうって思う」
その言葉を聞いて、「通報」と思い浮かぶ。
「何処に通報するの?」
「……教育委員会の窓口に、確か匿名で通報できる場所があったはず………」
しぼんでゆく枯れる花みたいな声を、聞き逃さなかった私。
すぐさま、百合の手を掴んでここじゃない場所へ、飛び出した。
*