独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

 *

 目が熱を帯びて腫れているのが鏡を見なくてもわかる。
 どう誤魔化そうか、考えながら2人の元に足を動かすがその足取りは重い。
 生まれて初めてのキスだった。
 中学高校と恋愛することもなかったので彼氏も出来たことがない美咲はキスなんて行為は存在こそ知っていても経験したのは初めてだった。
 溺れるようなキスで腫れた唇にそっと指で触れる。
 自分の心臓の鼓動を意識しなくても感じた。
「……っ。」
 翼とのキス。
 思い出すと胸がギュッと掴まれたようにドキドキする。
 キスが嫌だったわけではない、翼の自分勝手さに腹が立った。
 あの行為に対してはむしろ——

 美咲の顔がかぁーと赤く火照る。
 何を自分は考えているのか。
 驚いたドキドキを違うドキドキと勘違いしているだけ、吊り橋効果みたいなものだと自分に言い聞かせる。
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