独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 どうかしていた。
 絶対に超えてはいけない一線を超えてしまった。
 「ごめん」と言ってもそんなのは後の祭り。
 なにも言えなくなり、翼はただ黙っていることしかできない。

「……もういい、翼が私の気持ちを無視するなら私も知らない。」
 美咲はキッ!と涙に濡れた瞳を釣り上げ、翼を睨む。
「……デートに誘われた」
「は!?」
 衝撃的な言葉に翼は大きな声を上げる。
「翼が知ったら嫌かなって少し悩んでた。でも、もう知らない。」
 気持ちを知っていたから、翼の嫌がることをわかっていてするのは良くないかもと悩んでいた。
 翼は自分に大好きといっぱいの好意を何年も伝えてくれているから。

 美咲は決意したように翼に告げる。

「優斗と来週デートするから。絶対邪魔しないで」
「っ!!!ダメだ!!」
「知らない」と美咲は怒ったままスタジオへ戻ろうと踵を返す。
 翼は引き止めようと腕を伸ばすが、美咲にしてしまった行為と彼女に言われた言葉を思い出して動けなくなる。

 彼は拳を強く握りしめて立っていることしかできなかった。
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