独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
「美咲の行きたいところに行こう。美咲の気持ちのままに、付き合うよ」
 由紀は美咲の涙を優しく拭う。

 彼女の髪の毛を整え、優しく頭を撫でた。
「女同士なら、何も気にしなくていいでしょ?」
 性別に関する言葉を絶対いわない由紀が、美咲を気遣い寄り添おうとしてくれていた。
 高校でも、翼と喧嘩した時はこうやって由紀に話を聞いてもらったなと美咲は思い出す。

「……ありがとう由紀」
 由紀の優しさに、美咲の心は少しずつ余裕を取り戻す。
「私は遊びに誘っただけだよ。今、美咲と凄く遊びたい気分なんだ。……遊んでくれる?」
 王子様のように屈んで美咲に手を差し出す由紀の姿に、彼女が少しだけ本物の王子様に見えてふふっと笑みが溢れた。
「もちろん。遊ぼう」
 美咲と由紀は手を繋いで歩き出す。
 
「どこの店から攻めようか?」
「あの大通りに出来た——」
 どこに行こうかと2人で話合って歩き回る。
 クレープ、ワッフル、たい焼きにピザ、お腹がいっぱいになる程食べた。
 まだいつも通りにはなれないけれど、少しだけ笑えるようになった。
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