独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
「……乾かすって言わないんだ?」
 今までの仕返しに、ちょっとだけ意地悪な言葉を翼にぶつける。
 いつもあたふたさせられるのは私ばかり。
 今日くらいはと、美咲は翼が困りそうな言葉を言ってみた。
 
 翼は気まずそうに頭を下げて首の後ろを触る。
「……今の美咲に触れたら昼間の感触思い出して……また傷付ける」
「?」
 きょとんとした顔で翼の意図を考える。
 
 (……昼間って)
 激しく絡み合うような湿ったキス。
 美咲は翼との出来事を鮮明に思い出して口が閉まらなくなる。

「あ……あ……っ乾かしてくる!!!」
 赤くなった顔を隠すように勢いよく扉を閉め、髪を乾かしに走って洗面所に向かった。
 自分が言った言葉で特大ブーメランを喰らった気分だった。

 部屋に残された翼は「はぁ……」とため息を吐きながら丸くなる。
 
 美咲の部屋には何回も来たことがあった、夜にだって。
 だけど風呂上がりのパジャマ姿は……反則だった。
「勘弁してくれ……」
 急に来た自分が悪いとわかっているのに、もう少し警戒心を持ってほしいと翼は美咲に願ってしまう。
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