独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第21話 甘い香り
お風呂を終えた美咲は優斗に借りた大きなスウェットを着て洗面所を出る。
リビングでは優斗が口元を押さえながら、テレビを熱心に見ていた。
「優斗、お風呂ありがとう」
「あ、あぁ。」
優斗は美咲を見つめるとそのまま固まってしまった。
口元の手もそのまま、前屈みで座って状態でこちらを見つめて動かない。
「スウェット、やっぱり大きかったけど着られたよ。ダボダボだけどね」
「……」
「優斗?」
名前を呼ばれて我に帰ったのかハッと気づいたように口元から手を離す。
「あ、うん。……想像以上に、やばいな」
「え?」
「なんでもない。俺もお風呂入ってくるね」
優斗は足早に浴室へと入っていった。
やばい?……ダボダボすぎってことかな……。
美咲は頭を傾げた。
「あ、ドライヤー」
貸して欲しいというのを忘れていた。
もう優斗はお風呂の中なのか扉越しにシャワーの音が聞こえる。
「まぁ、あとでいっか」
美咲はソファーの前に座り、首にかけたタオルでぱんぱんと軽く叩きながら髪の水分を取った。