こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「元カノにすがって、情けなくないの? 潔く受け入れたら? 自力でのし上がってやるって思えないわけ? ご自慢の男らしさはどこに消えたの?」
「専務なんかよりよっぽど男らしいだろ! あいつ、編み物なんて女みたいなことしてさ! 親の七光りで専務だ!」
「彼は女に……人に救済を迫ったりしない。親の力を借りずに出世したのよ」
 彩羅は軽蔑の目で慶太を見る。
「ダサ。昭和の悪いとこだけひきずりすぎてウケる。あーしの彼、一緒に編み物してるし」
「適材適所だ、女のほうが料理とか裁縫とか向いてるんだ」
 慶太はぎりっとマリリンをにらむ。
「俺は料理得意だけどな。料理人もパティシエも男性が多いけど? デザイナーも男性がたくさんいて、彼らは裁縫もできるよ?」
 カウンターから出てきた拓斗が言い、慶太は顔をひきつらせる。
「だからなんだよ。編み物なんて現実では無駄もいいとこだ! 社会に貢献してない! 科学とか、そういうやつのほうが役に立つんだ!」
「マリリン、どうした?」
 勉強をしていたはずのマリリンの彼が席を立ってこちらに来た。
「彩羅っちの元カレがさあ。男が編み物するの、変なんだって」
「なんだよこいつ」
 逆立てた金髪の男性におののきながら、慶太が言う。
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