【1章だけ大賞長編用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
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「じゃあ先に行ってくるね」
「いってらっしゃい、理人くん」
「……っ」
「な、なんでそんな顔真っ赤なの!?」
「……だって悠里ちゃんに行ってらっしゃいって言われる人生って、贅沢すぎるっていうか、想像すらしてなかったから……やばい泣くかも」
「な、何言ってんの大袈裟!」
「ごめん、行ってきます……」
スーツ姿の王子様は、今日も悠里の前ではその仮面が外れてしまう。
週明けの月曜日は会議やミーティングが朝早くから続く理人は、悠里よりも先に職場へ向かった。
「私も準備しなきゃ」
洗面所へ向かってヘアアイロンのスイッチを入れたとき。
ポケットに入れていたスマホが一件のメッセージを受信した。
画面をタップすると、そこに表示されたのは【裕一さん】の文字。
「……え?」
恐る恐るそのメッセージをタップする。
【裕一:悠里、僕のマンションから出ていったの?家は借りられた?】
【裕一:あの家はまだ悠里のものだよ。いつでも帰ってきていいから】
【裕一:もう、僕のことは嫌いになった?】
そのメッセージを読んで、悠里はひどく顔を歪めた。


