聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 「ウィラルド様!」
 マリーは赤ちゃんドラゴンを抱えたまま、聖女のロザリオを両手で握ってウィラルドの無事を願って祈る。
 ウィラルドは白とピンクの光りに包まれ、エドワルドの聖剣はさらに白く光る。
 ウィラルドはさらに魔王へ聖剣を振り下ろし、胴を狙い聖剣を突く。
 魔王はウィラルドの聖剣をかわしたが、その脇腹を掠める。
 「……!」
 魔王は苦悶の表情を浮かべる。
 かすり傷だというのに、ウィラルドによって付けられた傷口がひどく痛むと同時に胸を強く押さえる。
 以前、魔王はエドワルドによって聖剣で突かれた胸の傷が疼き出す。
 魔王と相反する聖女の力を宿した聖剣で受けた傷は、傷が塞がった後も魔王を何百年と苦しめた。
 魔王にその時の恐怖が蘇るが、魔王は自身の魔力を使ってウィラルドに応戦する。
 魔王の漆黒のエネルギー弾がウィラルドを襲う。
 ウィラルドと魔王の激しい攻防の中、魔王のエネルギー弾の一つがウィラルドの聖剣を弾いた。
 「あっ……!」
 ヘレナとハンナは聖剣が弾かれたのを見てとっさに声を出す。
 ウィラルドが持つ、英雄聖騎士の聖剣が天を舞っている。
 その場にいるマリー以外の全員がウィラルドの敗北を疑わなかった。
< 111 / 133 >

この作品をシェア

pagetop