聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
(ウィラルド様……)
マリーはウィラルドを信じて聖女のロザリオを両手でしっかりと握り、瞳を閉じてさらに祈りを込める。
マリーの右手の手の甲にある聖女の紋章がピンクに強く光り出す。
マリーが祈りを込めると、腰から下げているウィラルドの聖剣が鞘の中で淡く穏やかなピンクの光を放っている。
鞘の中でピンクの光を放つ聖剣がウィラルドの目に入る。
魔王は丸腰になったウィラルドにとどめを刺すため、間合いを詰めて剣のように鋭くした自身の左手を手刀に変化させてウィラルドの胸を突こうと構える。
ウィラルドは魔王の手刀に突かれるより早く、ピンクに光る自分の聖剣を鞘から抜いて魔王の首に食い込ませる。
「!」
魔王は驚き、動きを止める。
ウィラルドは聖剣の柄を両手でしっかりと握る。
ウィラルドの聖剣が魔王の首を斬り進めていくにつれて、その切り傷は一瞬でくっついていく。
ウィラルドは魔王の首をはねるために聖剣を振り切った。
魔王の首から飛び散ったのは血液ではなく、穏やかに煌めくピンクの粒子のような輝きだった。
その輝きは一瞬でピンクのバラの花びらに変化し、その場に舞っている。
空を覆っていた暗雲が割けて神々しい太陽光がウィラルドと魔王に降り注ぎ、次第に辺りを照らしていく。
辺りに舞っているピンクのバラの花びらは太陽光に照らされ、さらに光り輝く。
魔王は首を落とされるという鋭く嫌な痛みと同時に以前にエドワルドの聖剣から受けた胸の痛みが一瞬だけ首に蘇る。
ウィラルドによって斬られたはずの魔王の首は一瞬だけの鋭い痛みを残しただけで、今は全く痛くない。
魔王は首を斬られた事に驚き、首を押さえて錯覚の痛みに硬直する。
二度と味わいたくない痛みと恐怖が魔王を支配する。
「なぜ……」
魔王が呟くとウィラルドが答える。
「マリーの慈悲だ」
「何?」
ウィラルドは顔を歪める魔王を気にせず、言葉を続ける。
「本当ならば、すでに貴様の首は落ちている」
ウィラルドに事実を突きつけられ、魔王は屈辱の表情を浮かべる。
「俺は運命の女性を愛し、その優しさに触れて慈悲深くなった。魔王、貴様に選択肢を与える。このまま俺に倒されるか、今後一切マリーに手出ししないと誓うか選ばせてやる」
魔王は表情を変えずにウィラルドへ視線を向けると、ウィラルドはさらに言葉を続ける。
「マリーだけではない。大聖女アンナ様、マリー、マリーの生まれ変わりたちに誓うのならば見逃してやる。誓いを破れば、俺が貴様を倒す。俺は何度でもマリーの元へ生まれ変わる。英雄聖騎士エドワルド様がそうだったようにーー」
赤ちゃんドラゴンを抱えているマリーはウィラルドの隣に立ち、魔王へ優しく話し始める。
「わたしはあなたの帰るべき場所でもある、この子の帰る場所をなくしたくなかった。これからもこの子と一緒にいてあげてください」
赤ちゃんドラゴンは元気よく鳴いて翼を動かして飛ぶと、魔王の腕の中に収る。
赤ちゃんドラゴンがレユスットに付けられた傷は綺麗に治っていた。
魔王は元気になった赤ちゃんドラゴンを優しく見つめる。
魔王の心の中に親のドラゴンと共に赤ちゃんドラゴンが卵からふ化した時の喜びに満ちた、穏やかな優しい気持ちが溢れていった。
魔王は自身と親のドラゴン、赤ちゃんドラゴンの一人と二体が魔界で過ごしている光景が目に浮かんでいる。
「二度とマリーの前に現れるな。現れた時は、今度こそ貴様の頭部は天を舞っているだろう」
ウィラルドは自身の聖剣を魔王に向ける。
「誓え」
ウィラルドの言葉を聞き、魔王は大きく息を吐く。
「マリー。お前がお前である限り誓おう」
魔王の表情はどこか清々しく、マリーに誓う。
「ありがとう」
マリーは魔王の言葉と表情に穏やかな笑みを浮かべて礼を伝える。
「アンナ、マリー。とんでもない人間の女がいるものだな」
魔王は赤ちゃんドラゴンを撫でながら、ウィラルドを見つめるマリーを見て言葉を零す。
マリーはウィラルドを信じて聖女のロザリオを両手でしっかりと握り、瞳を閉じてさらに祈りを込める。
マリーの右手の手の甲にある聖女の紋章がピンクに強く光り出す。
マリーが祈りを込めると、腰から下げているウィラルドの聖剣が鞘の中で淡く穏やかなピンクの光を放っている。
鞘の中でピンクの光を放つ聖剣がウィラルドの目に入る。
魔王は丸腰になったウィラルドにとどめを刺すため、間合いを詰めて剣のように鋭くした自身の左手を手刀に変化させてウィラルドの胸を突こうと構える。
ウィラルドは魔王の手刀に突かれるより早く、ピンクに光る自分の聖剣を鞘から抜いて魔王の首に食い込ませる。
「!」
魔王は驚き、動きを止める。
ウィラルドは聖剣の柄を両手でしっかりと握る。
ウィラルドの聖剣が魔王の首を斬り進めていくにつれて、その切り傷は一瞬でくっついていく。
ウィラルドは魔王の首をはねるために聖剣を振り切った。
魔王の首から飛び散ったのは血液ではなく、穏やかに煌めくピンクの粒子のような輝きだった。
その輝きは一瞬でピンクのバラの花びらに変化し、その場に舞っている。
空を覆っていた暗雲が割けて神々しい太陽光がウィラルドと魔王に降り注ぎ、次第に辺りを照らしていく。
辺りに舞っているピンクのバラの花びらは太陽光に照らされ、さらに光り輝く。
魔王は首を落とされるという鋭く嫌な痛みと同時に以前にエドワルドの聖剣から受けた胸の痛みが一瞬だけ首に蘇る。
ウィラルドによって斬られたはずの魔王の首は一瞬だけの鋭い痛みを残しただけで、今は全く痛くない。
魔王は首を斬られた事に驚き、首を押さえて錯覚の痛みに硬直する。
二度と味わいたくない痛みと恐怖が魔王を支配する。
「なぜ……」
魔王が呟くとウィラルドが答える。
「マリーの慈悲だ」
「何?」
ウィラルドは顔を歪める魔王を気にせず、言葉を続ける。
「本当ならば、すでに貴様の首は落ちている」
ウィラルドに事実を突きつけられ、魔王は屈辱の表情を浮かべる。
「俺は運命の女性を愛し、その優しさに触れて慈悲深くなった。魔王、貴様に選択肢を与える。このまま俺に倒されるか、今後一切マリーに手出ししないと誓うか選ばせてやる」
魔王は表情を変えずにウィラルドへ視線を向けると、ウィラルドはさらに言葉を続ける。
「マリーだけではない。大聖女アンナ様、マリー、マリーの生まれ変わりたちに誓うのならば見逃してやる。誓いを破れば、俺が貴様を倒す。俺は何度でもマリーの元へ生まれ変わる。英雄聖騎士エドワルド様がそうだったようにーー」
赤ちゃんドラゴンを抱えているマリーはウィラルドの隣に立ち、魔王へ優しく話し始める。
「わたしはあなたの帰るべき場所でもある、この子の帰る場所をなくしたくなかった。これからもこの子と一緒にいてあげてください」
赤ちゃんドラゴンは元気よく鳴いて翼を動かして飛ぶと、魔王の腕の中に収る。
赤ちゃんドラゴンがレユスットに付けられた傷は綺麗に治っていた。
魔王は元気になった赤ちゃんドラゴンを優しく見つめる。
魔王の心の中に親のドラゴンと共に赤ちゃんドラゴンが卵からふ化した時の喜びに満ちた、穏やかな優しい気持ちが溢れていった。
魔王は自身と親のドラゴン、赤ちゃんドラゴンの一人と二体が魔界で過ごしている光景が目に浮かんでいる。
「二度とマリーの前に現れるな。現れた時は、今度こそ貴様の頭部は天を舞っているだろう」
ウィラルドは自身の聖剣を魔王に向ける。
「誓え」
ウィラルドの言葉を聞き、魔王は大きく息を吐く。
「マリー。お前がお前である限り誓おう」
魔王の表情はどこか清々しく、マリーに誓う。
「ありがとう」
マリーは魔王の言葉と表情に穏やかな笑みを浮かべて礼を伝える。
「アンナ、マリー。とんでもない人間の女がいるものだな」
魔王は赤ちゃんドラゴンを撫でながら、ウィラルドを見つめるマリーを見て言葉を零す。