聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 朝日がウィラルドの部屋に飾られている一輪のピンクのバラと室内を照らしている。
 キングサイズのベッドの上にはマリーの服が散乱し、その付近にはウィラルドの聖騎士の衣装が散乱している。
 「アンナ様……」
 マリーはベッドの上に座って身体の前側をシーツで隠し、聖女のロザリオを両手で握って瞳を閉じるとアンナへ祈る。
 マリーの瞳の奥にアンナの優しい微笑みが浮かぶ。
 「ウィラルド、お願いがあるの」
 マリーは振り返り、まだ眠そうにベッドに横になって祈っているマリーを頬杖を付いて眺めているウィラルドを見つめる。
 髪が乱れて何も服を着ていないウィラルドが頷くと、マリーは言葉を続ける。
 「わたしは大聖女アンナ様と英雄聖騎士エドワルド様も喜んでくれるような幸せな結婚式にしたい」
 ウィラルドはマリーから予想外の事を聞き、驚いて目を見開く。
 しかしマリーだから言い出す事だと思い、ウィラルドは普段と同じ優しい笑みを浮かべる。
 「マリーは優しいな。きっと二人も喜んでくれるだろう」
 ウィラルドは身体を起こしてマリーの隣に座り、マリーの頭を愛おしそうに撫でる。
 ウィラルドは頭を撫でられて嬉しそうに目を細めるマリーが自分にだけ懐く小動物のように見えて独占欲が刺激される。
 ウィラルドがマリーの腕を優しく引くと、マリーを覆っているシーツが身体から離れる。
 「きゃっ!」
 マリーはウィラルドに抱きとめられ、二人は素肌で抱きしめ合う。
 一晩では愛しい人の素肌の温もりに慣れないマリーは昨夜と同じく、頬を赤いバラのように染める。
 マリーはウィラルドに再びベッドへ身体を沈められると、優しく身体を撫でられながら甘いキスを重ねる。

 マリーとウィラルドは時間が許すまで何度もキスを重ねながら、自分たちの結婚式を想像した。
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