聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 マリーとウィラルドは大聖女アンナと英雄聖騎士エドワルドへの祈りを終えて立ち上がると、アンナは白バラのブーケを宙に投げる。
 高く投げられた白バラのブーケは霧散して粒子のような白い光になる。
 白い光の粒子は白バラの花びらに変わり、フラワーシャワーのように大聖堂内を舞っている。
 祈っていた参列者たちは光の白バラの花びらに気づいて、感嘆の声を上げる。
 「美しい……」
 「奇跡だわ」
 大司教や参列者たちにはアンナとエドワルドの姿は見えていない。
 参列者は美しく舞っている光の白バラの花びらを幸せそうに見つめて手のひらに受け止める。
 「奇跡……」
 大司教は無意識に呟く。
 奇跡は信仰心が強く厚い聖職者が稀に起こす超常現象のようなものだ。
 大司教はマリーが起こした奇跡を目の当たりにし、この結婚に深い意味がある事と同時に大聖女アンナがこの結婚を祝福する意志を感じ取る。
 大司教はアンナとマリーの意志を尊重し、心からマリーとウィラルドの結婚を祝福する。
 大司教と参列者たちは白い光で作られた、白バラの花びらの奇跡を”大聖女アンナの祝福”と称し、マリーが起こした奇跡に歓喜する。
 「美しくてとっても綺麗ね! 大聖女アンナ様みたい」
 大聖女アンナの祝福を見てマリーは嬉しそうに笑ってウィラルドに話すと、アンナと目が合う。
 アンナは両手でウェディングドレスの裾を持って笑顔でマリーにお辞儀をすると、エドワルドは柔らかい表情で胸に手を当ててマリーにお辞儀をする。
 「アンナ様とエドワルド様が喜んでくれてよかった」
 マリーは再び嬉しそうにウィラルドに話す。
 ウィラルドはマリーの言葉を聞き、優しく柔らかい笑みを浮かべる。
 ウィラルドは自分の結婚式だというのに純粋に人の幸せを喜んでいる心優しいマリーが愛おしくて仕方がない。
 「全てマリーのおかげだ」
 マリーが言い出さなければこのような結婚式にならなかった。
 ウィラルドは人のために慈愛を惜しまないマリーを尊敬し、運命の相手がマリーでよかったと心の底から思う。
< 130 / 133 >

この作品をシェア

pagetop