聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 即興歌劇が終わると、観客は劇団員が差し出している箱の中へコインを投げ入れて拍手をする。
 「ヘレナちゃん、応援しているよ」
 「どうもありがとう。また観に来てね!」
 ヘレナと呼ばれて声を掛けられているた女性は男性ファンに愛想良く挨拶をして手を振る。
 男性ファンは嬉しそうにその場を後にし、観客が引いたのを見計らってマリーがハンナの妹と思われる女性へ声をかける。
 「あの、突然すみません。あなたはヘレナさんですか?」
 マリーに声をかけられた女性が振り返る。
 ライトブラウンの瞳は大きく猫のような印象を受ける。
 髪色はミルクティー色のふんわりとしたボブカットで明るく親しみやすい華やかな美人だ。
 女性の身長はマリーよりわずかに高く、細身の体型をしている。
 服装は黒いシンプルなパンプスで、白いブラウスと丈が膝下の落ち着いたオレンジ色をしたジャンパースカートを着ている。
 「そうよ。あなたは? 今の即興歌劇を見てくれてたの?」
 「はい。途中からですが、観ていました。素敵でした! わたしはお姉様のハンナさんにお世話になっている、マリーと申します」
 マリーは丁寧にお辞儀をする。
 「へぇ、そうなの。マリーちゃんよろしくね。……でーー」
 ヘレナはウィラルドに疑惑の視線を向ける。
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