聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 歌劇が終わり、観客たちは劇場を後にするが、マリーとウィラルドは席からしばらく動けないでいた。
 劇場の係員に声をかけられて二人で馬車に乗って王城へ帰るが、終始無言だった。

 マリーとウィラルドはマリーの部屋へ行く城の廊下を静かに歩いている。
 「素敵な歌劇でしたね。ヘレナさん、素敵でした」
 「ああ」
 落ち着いた声のマリーは演劇を観た感想を今はそれしか言えなかった。
 ウィラルドも相づちを打つ事しかできなかった。
 「あの、ウィラルド様……。何でもないわ」
 マリーがウィラルドへ何かを聞こうと口を開くが、すぐにやめた。
 二人はマリーの部屋の前までやってきた。
 マリーはウィラルドを見上げて就寝の挨拶をする。
 「ウィラルド様、おやすみなさい」
 「ああ、おやすみ」
 マリーはウィラルドに部屋の前まで送ってもらい、中へ入る。
 ウィラルドはマリーが部屋へ入るのを見届けてその場を後にした。
 マリーは部屋へ戻ると、簡単に就寝の準備を済ませると早々にベッドの中へ入り、目を閉じるとすぐに眠ってしまった。
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