聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 マリーとウィラルドはそれぞれの席に座って観劇している。
 歌劇が始まるとウィラルドは違和感に気づく。
 「……この演劇、俺が公務で観たものと違う気がする」
 「どこが違うの?」
 「分からない。役者も変わらない同じ公演のはずなのに、なぜか違うような気がする」
 「そうなの? なぜかしら」
 マリーはさらに集中して観劇する。
 (アンナ様……)
 マリーは表向きは聖女として平和のために英雄聖騎士と戦うアンナから、英雄聖騎士へ信頼以外の気持ちがあるように感じた。
 歌劇は終盤になり、大聖女アンナが修道女に自身の聖女の力を分け与える場面になった。
 (アンナ……)
 ウィラルドはその場面を見ると、マリーに気づかれないように頭を押さえて苦しそうに眉根を寄せる。

 大聖女アンナと英雄聖騎士は信頼し合う力で世の中を平和にして、舞台の幕を閉じた。
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