聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 激しい雨音の中をアンナとエドワルドは雨具のローブを着て、アンナの希望通りに修道院にある庭を歩いている。
 激しい雨はやむ事なく降り続いている。修道院の外には誰もいなかった。
 庭には満開に咲いている白バラが激しい雨に打たれている。
 エドワルドはアンナの手を引きながら激しい雨の中を歩いていると、白バラのアーチへやってきた。
 白バラのアーチは全長五メートルほどあり、アーチは白バラが満開に咲いて華やかで幻想的な雰囲気をしている。
 アンナとエドワルドは教会の白バラのアーチへ入ると、アーチによって雨が遮られて雨の降りが弱くなる。
 二人はアーチの真ん中ほどまで進むと、外からの視界が遮られる。
 空は濃灰の厚い雨雲に覆われ、激しい雨で自分たち以外は誰もいない。
 誰も見ていない。
 アンナは小さい悲鳴を上げて、雨で足が滑ったようにみせてエドワルドにわざと倒れ込む。
 エドワルドは華奢なアンナを抱きとめる。
 二人が雨具として着ているローブの隙間から雨が入り込み、二人の身体を濡らす。
 しかし冷たい雨は二人を冷やす事はできなかった。
 エドワルドはアンナを抱きとめたまま離そうとしない。
 アンナはエドワルドの背中に腕を回す。
 「ずっと、このままがいい……」
 小声で呟いたアンナの願望は雨音に消える。
 アンナはエドワルドにさらに深く抱きしめられる快感に身を任せた。

 二人は激しい雨の中、何時間もそのままで白バラのアーチの中にいた。
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