聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 流行のブティックで服を購入し終えたマリーたちは前回のアフタヌーンティーの店ではなく、違う店のオシャレで人気のカフェへやってきた。
 店員に席へ通され、マリーとヘレナ、ハンナとフィデリックが隣になり、マリーはハンナと向かい合って座っている。
 マリーたち女性三人がメニューを選び始めて数分後。
 店員が注文を聞きに来たが、フィデリックがまだ決まっていないと答えた。
 フィデリックは女性三人に注文を聞きに来た店員と同じ言葉を繰り返す。
 「あの、みなさん。注文は決まりましたか?」
 ヘレナはフィデリックの声が聞こえていないらしく、気にとめずにメニューを選んでいる。
 「ケーキ、どれにしようか迷う~」
 「ヘレナ、これも美味しそうねぇ」
 「あー、ほんとだ! マリーちゃんはどんなスイーツが好き? あ、この前はイチゴだったよね。聖騎士王太子殿下とはその後はどう?」
 「どう、って何がかしら?」
 マリーはヘレナに何を聞かれているのか分からず、聞き返す。
 「心配しなくても上手くいってるよね! 聖騎士王太子殿下かぁ……、マリーちゃんすごいね。どこが好きなの?」
 マリーはヘレナにウィラルドのどこが好きかと問われてウィラルドを思い浮べる。
 マリーの頭の中にはマリーの名前を優しく甘い声で呼び、そばにいてくれるウィラルドが浮かんだ。
 「優しいところです」
 マリーは照れた笑顔でヘレナに答える。
 (優しい……?)
 マリー以外の三人はウィラルドの優しいイメージを思い浮べようとしたが、ウィラルドの優しさを思い浮べられなかった。
 「まあ確かに、マリーちゃんには優しいよね」
 ヘレナはウィラルドのマリーに対する溺愛を思い出し、ハンナはマリーが倒れて自分の教会へ運ばれた時の事を思い出す。
 「そうね。聖騎士王太子殿下がマリーさんを抱えて私の教会へいらした時、すごく心配そうにしていたわ。本当に大切な人が倒れた時のように血相を変えていらしたのを覚えているわぁ」
 「ウィラルド様、そうだったのね」
 マリーは当時のウィラルドを想像する。
 当時のウィラルドはマリーを知らなかったはずだ。
 マリーはウィラルドが何故そんなに心配してくれるのかと疑問が浮かぶと同時にマリーとウィラルドの前世であるアンナとエドワルドの事を思い出す。
 ウィラルドが優しくしてくれて、心配をしてくれるのはマリーを前世のアンナと重ねて、アンナの事を想っているからではないかと不安になっていく。
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