聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 マリーとウィラルドは博物館の近くの林にペガサスで降り立ち、博物館の裏手にペガサスを待たせておく。
 マリーとウィラルドが博物館へやってきたのは、ある怪奇現象の報告を受けたためだ。
 報告書によると展示されている英雄聖騎士の聖剣が白く光るのを複数の学芸員が目撃したとの事だ。
 その白い光は何かを訴えているように感じると目撃した学芸員が口を揃えて言っていると報告書に書かれていた。
 マリーは先日、ヘレナたちと出かけた際に購入した服を着て、博物館へ訪れた時の聖剣を思い出しながらショーケースを眺めている。
 マリーが購入した服は薄いピンクの可愛らしいノースリーブのワンピースを着て、ワンピースとお揃いのヒールのある靴を履いている。
 そして首から聖女のロザリオを下げ、肩から瑠璃色の薄手カーディガンを羽織っている。
 ウィラルドは普段と同じように聖剣を腰に下げ、聖騎士の衣装を着ている。
 ウィラルドは先に博物館へ来ていたフィデリックと共に博物館の館長から説明を聞き終え、聖剣を眺めているマリーに声をかける。
 「マリー、どうだ?」
 マリーはウィラルドに返事をしながら、さらに聖剣をよく見る。
 マリーにはヘレナたちと博物館へ見学に来た時と変わらず、聖剣が静かに眠っているように見える。
 「特に何もないわ」
 マリーはウィラルドへ視線を移して答える。
 ウィラルドとフィデリックも聖剣を眺めるが、マリーと同じく何も変化がないように見える。
 変化が起きるまで待つしかないと決めると、慌てた様子で博物館の学芸員が駆け込んでくる。
< 98 / 133 >

この作品をシェア

pagetop