く ち な し―身代わりの恋
 * *


大学時代の友人達との久しぶりの飲み会。

「久しぶりー!」「お前、老けたね!」

皆、教師をしていたり営業職に就いたりと、安定した生活を送っている。
経済的に不安定なのは俺だけ。
在学中は国語教師を目指していたのに、突如、創作執筆に目覚めた結果だ。

酒が進み、

「なぁ理、知ってた? ノブの奴、今、地元で社長やってるらしいぞ」

話は、自然と 大学 (いち)のモテ男だったノブの話題になった。

「そうらしいな、確か、整備工場っていうか車屋じゃなかったか? 文系出たのにさ」

「そうそう」

そのノブを新作のモデルにしようとしてるなんて、皆には言えない。
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