く ち な し―身代わりの恋
――甘かった。

鹿児島から帰って大橋を誘わなければ良かった。
自分は、夫よりも優位な立場にいると安心しきっていた。
恋愛も出来ないと言われて、浮気を疑われるなんて思いもしなかったから。

――それでも。

大橋に会いたい。せめて連絡を取りたい。

弟の理と話をする為に、私は実家へと電話をした。





″たとえ実家でも、話したら、大橋を地獄に突き落とす ″

この時も、夫の脅迫に支配されていて、夫婦の問題を話す気はなかった。
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