く ち な し―身代わりの恋
数日後。
大橋から電話がかかってきた。

《車の修理、終わったよ》

「え、もう?」

私は、思わず部屋のカレンダーを見た。
早くない?
まだ一週間しか経っていない。

《貴女の為に早急に仕上げた。家まで持っていくよ》

″いい″と言うのに、大橋は自宅で車を入れ替えるという。

《議員の奥さんは多忙でしょ? そこにいて》

やや強引な男に不安を抱きながらも、事故の証拠の消えた車さえ戻ってきたら、会わなくても済むかもしれない。
そう軽く考え、しかし玄関の鍵はしっかり掛けて表に出た。
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