く ち な し―身代わりの恋
夫への罪悪感は、あの人が女とホテルに入っていく姿を思い出せば消えていく。
かわりに、こそばゆい、次第に強くなる快楽が胸から全身へ押し寄せた。
脇、脇腹、下腹部に大橋の舌が滑っていく。

「……ン」

声を漏らすのは抵抗があって、なるべく唇を閉じていた。
それでも、この人に委ねたい。
全身へのキスを続けるその身体に腕を回そうか迷っていると、

――ブブ!

枕元のスマホが揺れて、着信を知らせた。
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