振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。

嬉しい。

ただそれだけなのに、胸の奥がじんわり温かい。

「澪ー!朝ご飯できてるよ!」

「はーい!」

慌ててスマホを閉じて、一階へ降りる。

食卓には、焼き鮭と卵焼き、味噌汁。

いつもと同じ朝ご飯なのに、今日は少しだけ味が違って感じた。

「なんか、今日機嫌いいね?」

お母さんが不思議そうに私を見る。

「えっ、そ、そうかな……?」

「うん。顔がふわふわしてる」

「ふわふわって何……」

誤魔化すようにお味噌汁をすすったけれど、熱さよりも、胸の高鳴りのほうがずっと強かった。



< 135 / 352 >

この作品をシェア

pagetop