振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
嬉しい。
ただそれだけなのに、胸の奥がじんわり温かい。
「澪ー!朝ご飯できてるよ!」
「はーい!」
慌ててスマホを閉じて、一階へ降りる。
食卓には、焼き鮭と卵焼き、味噌汁。
いつもと同じ朝ご飯なのに、今日は少しだけ味が違って感じた。
「なんか、今日機嫌いいね?」
お母さんが不思議そうに私を見る。
「えっ、そ、そうかな……?」
「うん。顔がふわふわしてる」
「ふわふわって何……」
誤魔化すようにお味噌汁をすすったけれど、熱さよりも、胸の高鳴りのほうがずっと強かった。