振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。

「あの時も。澪ちゃん、今みたいに顔真っ赤だった。」

「もう……。」

顔が熱い。

「からかわないで。」

「ごめんごめん。」

笑いながら謝る光くん。

その笑顔につられて、私も笑ってしまう。

「ふふっ。」

「……。」

光くんがじっと私を見る。

「……え?」

「やっぱり。」

「笑ってる澪ちゃんが一番可愛い。」

「……っ!」

もう限界だった。

恥ずかしすぎて顔を隠す。

「そんなに照れなくても。」

「やめてぇ……。」

小さく呟くと、光くんは嬉しそうに笑った。


その笑顔を見ていると。

二年間離れていた時間なんて、本当はなかったんじゃないか。

そんな気さえしてしまう。

電車はゆっくりと目的地へ向かって走っていく。

二人だけの時間も、まだ始まったばかりだった。


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