振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
第18話「揺れる気持ち」
駅を出たあと、最初に向かったのは小さなカフェだった。
休日の朝にしてはまだ人通りが少なくて、街は少しだけゆっくりと動いている。
その中を、光くんと並んで歩く。
「ここ」
光くんが指さしたのは、駅から少し外れた落ち着いた雰囲気のカフェだった。
木の看板と、ガラス張りの小さな入口。
「前から気になってたんだ」
「そうなんですか?」
「うん」
光くんは軽く笑って続ける。
「なんかさ、こういう雰囲気のとこ、澪ちゃん好きかなって」
その言葉が、何でもないみたいに落ちてくる。
でも私の胸にはしっかり引っかかる。