振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「でも。」
光くんが私の肩に額を預けたまま、小さく呟く。
「もう少しくっついててもいい?」
「……はい。もちろんです。」
「ありがとう。」
嬉しそうな声。
「今日だけじゃなくて。
これからも、いっぱい甘えていい?」
私は迷わず頷いた。
「もちろんです。」
「その代わり、私も甘えたい時甘えますからね。」
その言葉に、光くんは幸せそうに笑う。
「それ、すごく嬉しい。」
まだ玄関先。
まだ家にも入っていないのに。
私たちはしばらくの間、お互いを抱きしめたまま離れられなかった。