振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
カーテンの隙間から差し込む夕日が、部屋をやさしく染めていた。
静かな部屋に響くのは、時計の針の音と、光くんの穏やかな寝息だけ。
私は、私を抱きしめたまま眠っている光くんの横顔をそっと見つめる。
さっきまであんなに甘えていたのに、眠ってしまえば本当に静か。
少し赤かった頬も、寝ている間に少しだけ落ち着いたように見えた。
(ちゃんと眠れてよかった。)
安心して、小さく息をつく。
その時だった。
「……ん。」
光くんがゆっくり寝返りを打つ。
「光くん?」
まぶたがゆっくり開く。
ぼんやりした瞳が私を見つけた瞬間、ふわっと笑顔になる。