振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「……澪ちゃん。」
その笑顔を見るだけで、胸が温かくなった。
「もう、起きましたか?」
「うん……いてくれた。」
どこか安心したような声。
「約束しましたから。起きるまで一緒にいるって。」
そう答えると、光くんは嬉しそうに目を細めた。
「ほんとだ……夢じゃなかった。」
「夢じゃないですよ。」
私は微笑みながら頷く。
光くんは体を起こそうとして、
「……あ。」
少しだけふらついた。
「危ないっ」
慌てて肩を支える。
「まだ熱がありますから、急に起きちゃだめです。」
「はい……。」
いつもなら少し照れ隠しをするのに、今日は素直に返事をする。