友情vs恋愛~あなたは、どちらを優先しますか?~

第7話:恋人と親友が相性が最悪になっちゃった

実咲にとって、ひまりはなんでも相談できる最高の親友で、大輝は世界で一番大好きな彼氏だ。
大好きな二人だからこそ、絶対に仲良くなってほしくて、実咲は3人でのご飯会を企画した。
それが、すべての間違いだった。
大輝は自信家で自分の意見をハキハキ言うタイプ。
対するひまりは、一見おっとりしているけれど芯が強く、曲がったことが大嫌いなタイプ。
会話が始まってすぐに、映画の趣味や休日の過ごし方を巡って、二人の間にピキピキと冷たい空気が流れ出した。
「実咲ってさ、ちょっと優柔不断だから、俺くらい引っ張る奴がちょうどいいんだよね」
大輝が冗談ぽく言うと、ひまりはピクリと眉を動かした。
「それって引っ張ってるんじゃなくて、実咲にワガママ押し付けてるだけじゃない?」

その日の解散後、すぐに二人から別々に連絡が来た。
ひまり:『実咲、悪いこと言わないからあんな男やめときな。完全に亭主関白だし、実咲が苦労するよ』
大輝:『実咲、あの友達ちょっとキツすぎない? 人の恋愛に口出ししてくるの、正直うざいんだけど』
大好きな二人が、お互いを全否定している。実咲は頭を抱えた。
それからのデートは、いつもひまりの影が付きまとった。
大輝とデートをしていると「ひまりちゃんに反対されてるから、今日も早く帰るわけ?」と嫌味を言われ、ひまりとカフェにいると「また大輝くんに合わせて洋服選んだの?」と溜息をつかれる。

ある週末、ひまりから「どうしても話したいことがある」とカフェに呼び出された。
しかし、その日は大輝との記念日デートの約束があった。
「ごめんね、ひまり。その日は大輝と約束があって……」
「また大輝くん? 実咲、最近私の話全然聞いてくれないじゃん。あんな男のどこがいいの!?」
ひまりの悲しそうな、怒ったような声。
その時、後ろから「おい、実咲」と声がした。
待ち合わせ場所に向かう途中の大輝が、偶然通りかかったのだ。
「またお前、実咲にイチャモンつけてんの? いい加減にしろよ」
「なによ、私は実咲のことを心配して……!」
カフェの中で、二人が激しく睨み合う。
その真ん中で、実咲は涙が溢れそうになるのを必死に堪えていた。
どちらも私を想ってくれているのに、どちらも私にとって大切な存在なのに。
「……もう、二人ともやめて」
恋愛を取れば親友を失い、友情を取れば最愛の人を失う。
最悪の相性の二人の間で、実咲の心はボロボロに引き裂かれていた。
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