元いじめられっ子の悲劇
 私が町を歩くと、奇妙な噂が流れていた。
 ペングウィーノは、私の肩に乗っている。

「なあ、聞いたか?
あの頭のおかしなグループの話」

「ああ、何だって、昔、保育園でいじめていた佐藤せりおっていう、身長一メートルもないハゲの女の子捜しているんだとか」

「そんな子、いるのか?」

「聞いたことないな。
関係ない人に『お前、佐藤せりおだろって迫りかかってくる』んだとよ」

 私はそんな噂を聞きながら、近くにあったポスターを見た。
「危険なグループ・・・佐藤せりおを捜してって・・・」
 思わず、声に出して読んでしまった。 
 元いじめっ子グループの顔のポスターがあったけど、あれから年月が流れているせいか、記憶と一致してなかった。
 最後にあったのは、私が幼稚園入園した3歳で、グループたちは3、4歳だったと思う。

 彼女たちは、自分がいじめていたことを憶えている?
 そして、なぜ私を捜す必要があるの?
 そもそも、異世界なんて来れるの?
 そこは、誰でも来れる場所じゃないわ。

「ベンデッタ、復讐以前に嫌な予感しかしない」

 ペングウィーノが、考え事の最中に声をかけた。

「奇遇ね。
私も、そんな気がしてた」

「どうするんだ?
ベンデッタどころか、関係のない人まで被害が及ぶとなると、話が変わってくるぞ」

「わかってるって。
けど、どうするの?」

「話が本当なら、これはイレギュラーなケースだ。
何も策が浮かばない」

「そうだね。
なら、情報収集と行くしかない。
安全確保の方が大事だもの」

 私をかつていじめた人、彼女たちは
 川上(かわかみ)さん、
 秋野(あきの)さん、
 彩野(あやの)さん、
 雪野(ゆきの)さん、
 長野(ながの)さん、
 あたりだったと思う。

 家を燃やされた当初、子供だったということで、たいした罪にならなかった。 
 この時、私は非常に許せなかったことをよく憶えている。
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