高額報酬で彼女を募集したら、本当に欲しかった恋が始まりました。
第2話:彼女募集に応募した女。
花金の午後・・・オープンガーデン。
瀬戸田 檸檬は学校帰り、お気に入りのカフェでホットミルクを飲みながら、店に置いてあったタウン誌を何気なく眺めていた。
檸檬は現在18歳、現役女子高生の卒業まじか・・・。
そのビジュアルはクラスでもトップクラスで、言い寄ってくる男子も少なくなかった。
ごく普通の女子高生らしく、友達とおしゃべりをしたり、美味しいスイーツを食べたり、ゲームをして遊んだり・・・。
多少の悲喜こもごもはあっても、特別大きな悩みがあるわけではない。
・・・いや、一つだけあった。
最近、付き合っていた彼氏と別れたばかりだったのだ。
別れた原因は、彼の自己中、モラハラ、浮気。
それだけならまだしも、檸檬に借りたお金を返さないまま、浮気相手と一緒に姿をくらましてしまった。
檸檬は昔から、困っている人を見ると放っておけない性格だった。
だから彼にも何度もお金を貸してしまった。
しかし、さすがに浮気され、お金まで踏み倒されたとなれば話は別だ。
どんなにロクでもない男でも、好きだった相手には違いなかったわけで、だもんで
なおさら檸檬は深く傷つき、しばらく悲しみに暮れていた。
「もう彼氏なんていらない・・・」
しばらくは誰にも束縛されず、自分のために洋服を買ったり、友達と遊んだりできるお金が欲しかった。
そんなことを考えながら、タウン誌をペラペラとめくっていると、最後のページで檸檬の手が止まった。
そこには、大きくこう書かれていた。
《まともな彼女募集 許容範囲:20歳~30歳》
「なにこれ・・・彼女募集?」
「どこのお間抜けなんだろ?・・・こんな募集を出す人って・・・」
「第一、こんなのに応募する女なんているの?」
そう呟きながら視線を下へ移す。
すると、その下にはさらにこう書かれていた。
《お付き合いしてくださる方、高額報酬・高額ボーナスあり》
さらにその下には募集者の名前と連絡先。
菊池 陽介・連絡先:QRコード。
「高額報酬・・・?」
「彼女になってあげたら、お金がもらえるってこと?」
「まさか・・・本気で付き合わなくても、彼女のフリをするだけでもいいのかな?」
檸檬は「高額報酬」という文字に一瞬心を奪われた。
もちろん募集条件には20歳から30歳までと書かれている。
自分は18歳・・・応募資格はない。
それでも、その条件以上に今の檸檬にはお金が必要だった。
ロクでなし彼氏にお金も持ち逃げされてなかったら、檸檬はこの彼女募集の広告は
スルーしていたかもしれなかった。
「こんな好条件・・・早く応募しないと誰かに取られちゃうかも・・・」
そう思った瞬間には、もうスマホを取り出していた。
勢いのままQRコードを読み取り、陽介の携帯へ電話をかけた。
数回のコールの後、眠そうな男の声が聞こえてきた。
「はい・・・菊池です」
「あ、あの〜・・・『まともな彼女募集』の広告を見た、瀬戸田 檸檬っていいます」
「あの、この募集に応募したいんですけど・・・まだ間に合いますか?」
「え?・・・ああ、そうなんですか?」
陽介は少し笑った。
「あはは・・・広告を出したこと、すっかり忘れてました」
「だから、あなたが応募第一号ですよ」
「あ、俺は菊池 陽介っていいます」
「え〜と?・・せとだ?・・・瀬戸田さんでしたっけ?」
「失礼ですけど、おいくつなんですか?」
「えっ・・・えっと・・・は、二十歳です」
思わず嘘をついた。
「二十歳?・・・へ〜そうですか?・・・それなら、いいんじゃないかな」
「じゃ〜よかったら、一度お会いしませんか?」
「俺のマンションまで来てもらえると助かるんですけど・・・今はちょっと外には出られそうにないんで・・・いいですかね?」
「分かりました・・・行きます!!」
「時間ありますから、これからでも、お伺いしてもいいですか?」
「もちろん」
「偶然なんですけど、俺、今日は仕事を休んでるんですよ」
少し安心した檸檬は、ふと気になって尋ねた。
「・・・あの、菊池さんって高校生ですか?」
檸檬は自分でも、なぜそんなことを聞いたのか分からなかった・・・電話越しの声がどこか若く聞こえたからかもしれない。
すると陽介は苦笑しながら答えた。
「なわけないでしょ・・・社会人ですよ・・・何をボケかましてるんですか、瀬戸田さん」
そして、少し笑いながら続けた。
「でも、面白いですね、君・・・そういう常識外れなボケをかます人、俺は嫌いじゃないですよ」
その時の檸檬の頭の中は「高額報酬」の四文字でいっぱいだった。
考え方が単純で一直線な彼女は、恋愛感情など、ほとんど頭になかった、とにかく陽介のマンションへ行き、彼から良い返事をもらいたい・・・とりあえずお金が欲しいそれだけだった。
陽介の住むマンションの名前は・・・『バロン・ド・メゾン』
どこかで聞いたことがあるような、ないような・・・。
そんな印象だけを胸に、檸檬は早陽介のマンションへ向かうため、早々にカフェを後にした。
つづく。
瀬戸田 檸檬は学校帰り、お気に入りのカフェでホットミルクを飲みながら、店に置いてあったタウン誌を何気なく眺めていた。
檸檬は現在18歳、現役女子高生の卒業まじか・・・。
そのビジュアルはクラスでもトップクラスで、言い寄ってくる男子も少なくなかった。
ごく普通の女子高生らしく、友達とおしゃべりをしたり、美味しいスイーツを食べたり、ゲームをして遊んだり・・・。
多少の悲喜こもごもはあっても、特別大きな悩みがあるわけではない。
・・・いや、一つだけあった。
最近、付き合っていた彼氏と別れたばかりだったのだ。
別れた原因は、彼の自己中、モラハラ、浮気。
それだけならまだしも、檸檬に借りたお金を返さないまま、浮気相手と一緒に姿をくらましてしまった。
檸檬は昔から、困っている人を見ると放っておけない性格だった。
だから彼にも何度もお金を貸してしまった。
しかし、さすがに浮気され、お金まで踏み倒されたとなれば話は別だ。
どんなにロクでもない男でも、好きだった相手には違いなかったわけで、だもんで
なおさら檸檬は深く傷つき、しばらく悲しみに暮れていた。
「もう彼氏なんていらない・・・」
しばらくは誰にも束縛されず、自分のために洋服を買ったり、友達と遊んだりできるお金が欲しかった。
そんなことを考えながら、タウン誌をペラペラとめくっていると、最後のページで檸檬の手が止まった。
そこには、大きくこう書かれていた。
《まともな彼女募集 許容範囲:20歳~30歳》
「なにこれ・・・彼女募集?」
「どこのお間抜けなんだろ?・・・こんな募集を出す人って・・・」
「第一、こんなのに応募する女なんているの?」
そう呟きながら視線を下へ移す。
すると、その下にはさらにこう書かれていた。
《お付き合いしてくださる方、高額報酬・高額ボーナスあり》
さらにその下には募集者の名前と連絡先。
菊池 陽介・連絡先:QRコード。
「高額報酬・・・?」
「彼女になってあげたら、お金がもらえるってこと?」
「まさか・・・本気で付き合わなくても、彼女のフリをするだけでもいいのかな?」
檸檬は「高額報酬」という文字に一瞬心を奪われた。
もちろん募集条件には20歳から30歳までと書かれている。
自分は18歳・・・応募資格はない。
それでも、その条件以上に今の檸檬にはお金が必要だった。
ロクでなし彼氏にお金も持ち逃げされてなかったら、檸檬はこの彼女募集の広告は
スルーしていたかもしれなかった。
「こんな好条件・・・早く応募しないと誰かに取られちゃうかも・・・」
そう思った瞬間には、もうスマホを取り出していた。
勢いのままQRコードを読み取り、陽介の携帯へ電話をかけた。
数回のコールの後、眠そうな男の声が聞こえてきた。
「はい・・・菊池です」
「あ、あの〜・・・『まともな彼女募集』の広告を見た、瀬戸田 檸檬っていいます」
「あの、この募集に応募したいんですけど・・・まだ間に合いますか?」
「え?・・・ああ、そうなんですか?」
陽介は少し笑った。
「あはは・・・広告を出したこと、すっかり忘れてました」
「だから、あなたが応募第一号ですよ」
「あ、俺は菊池 陽介っていいます」
「え〜と?・・せとだ?・・・瀬戸田さんでしたっけ?」
「失礼ですけど、おいくつなんですか?」
「えっ・・・えっと・・・は、二十歳です」
思わず嘘をついた。
「二十歳?・・・へ〜そうですか?・・・それなら、いいんじゃないかな」
「じゃ〜よかったら、一度お会いしませんか?」
「俺のマンションまで来てもらえると助かるんですけど・・・今はちょっと外には出られそうにないんで・・・いいですかね?」
「分かりました・・・行きます!!」
「時間ありますから、これからでも、お伺いしてもいいですか?」
「もちろん」
「偶然なんですけど、俺、今日は仕事を休んでるんですよ」
少し安心した檸檬は、ふと気になって尋ねた。
「・・・あの、菊池さんって高校生ですか?」
檸檬は自分でも、なぜそんなことを聞いたのか分からなかった・・・電話越しの声がどこか若く聞こえたからかもしれない。
すると陽介は苦笑しながら答えた。
「なわけないでしょ・・・社会人ですよ・・・何をボケかましてるんですか、瀬戸田さん」
そして、少し笑いながら続けた。
「でも、面白いですね、君・・・そういう常識外れなボケをかます人、俺は嫌いじゃないですよ」
その時の檸檬の頭の中は「高額報酬」の四文字でいっぱいだった。
考え方が単純で一直線な彼女は、恋愛感情など、ほとんど頭になかった、とにかく陽介のマンションへ行き、彼から良い返事をもらいたい・・・とりあえずお金が欲しいそれだけだった。
陽介の住むマンションの名前は・・・『バロン・ド・メゾン』
どこかで聞いたことがあるような、ないような・・・。
そんな印象だけを胸に、檸檬は早陽介のマンションへ向かうため、早々にカフェを後にした。
つづく。
