君の隣は、呼吸ができる
ふと、気になることが浮かぶ。

「最後に一つだけ教えて」

心臓がバクバクと音を立て始めた。

「その……誰かと、住むってことなの……?」

私の言葉に目を丸くした真樹。

数秒遅れて、呆れたように軽く吹き出した。

「一人暮らしに決まってるだろ」

体中の力が抜けて、その場に座り込みたくなった。

「え、そうなの……?」

あまりにも可笑しかったのか、真樹が自分の目元を指で拭っていた。
そして、少し身を屈めて言い聞かせるように話し出す。

「……ついでに言っておくけど、今日いた先輩と何もないから」
「本社に行って、戻ってただけだよ」

その言葉に、私は勢いよく顔を上げる。

「えええっ!?」

思わず大きな声を出してしまった。


「若葉のことだから、変な想像してたんだろ?」

そう言うと、いつものように真樹が笑った。
< 48 / 63 >

この作品をシェア

pagetop