君の隣は、呼吸ができる
恋人になった次の日 ―第14話と第15話の間の物語―
朝から落ち着かない日曜日。
玄関前でソワソワと行ったり来たり。
棚の卓上時計を確認しては、針が全然進んでいなくて驚いてしまう。
約束まで、まだ時間がある。
鏡の前に立ち止まると、急に不安な気持ちになってきた。
「やっぱり、スカートがいいかなぁ?」
クローバー柄のシャツを、ワイドパンツにインした姿。
着慣れた格好だけれど、今日だけはそれが気になってしまう。
昨日、幼馴染の真樹と恋人になったばかり。
その彼と、さっそく二人で出掛けることになった。
(……彼氏……)
心の中でその言葉を呟くだけで、胸の奥がくすぐったい。
鏡に映る自分の顔。
真面目な表情を作っても、すぐニヤついてしまう。
前髪を少し分けようと触った瞬間、真樹の熱い唇を思い出してしまった。
一瞬で真っ赤に染まる私の頬。
「ぎゃあああああーーー!」
思わず、両手で顔を覆ってしゃがみ込む。
「ちょっと若葉! 朝からうるっさいわよーーー!」
ダイニングの方から、私の叫びよりも大きい母の声がした。
その時。
玄関の扉の向こうから、車のエンジン音がした。
かすかに、よく知っている低い声も聞こえる。
(真樹が外に出た!)
肩がピクッと跳ねた。
両手を離して、もう一度鏡を見る。
(デートじゃないから、この服で大丈夫だよね……)
ふぅっと深呼吸をすると、立ち上がった。
鍵置きの横に置いてある、葉っぱを抱えたハムスターのキーホルダーに目がとまる。
同じものを真樹も持っていて、そっちには彼の新居の鍵が付いている。
今日は、そこで荷物の整理のお手伝いをするのだ。
「い、行ってきまうす……」
胸の高鳴りが止まらない。
扉の取っ手をギュッと掴んで、いつも通りを装って家を出た。
玄関前でソワソワと行ったり来たり。
棚の卓上時計を確認しては、針が全然進んでいなくて驚いてしまう。
約束まで、まだ時間がある。
鏡の前に立ち止まると、急に不安な気持ちになってきた。
「やっぱり、スカートがいいかなぁ?」
クローバー柄のシャツを、ワイドパンツにインした姿。
着慣れた格好だけれど、今日だけはそれが気になってしまう。
昨日、幼馴染の真樹と恋人になったばかり。
その彼と、さっそく二人で出掛けることになった。
(……彼氏……)
心の中でその言葉を呟くだけで、胸の奥がくすぐったい。
鏡に映る自分の顔。
真面目な表情を作っても、すぐニヤついてしまう。
前髪を少し分けようと触った瞬間、真樹の熱い唇を思い出してしまった。
一瞬で真っ赤に染まる私の頬。
「ぎゃあああああーーー!」
思わず、両手で顔を覆ってしゃがみ込む。
「ちょっと若葉! 朝からうるっさいわよーーー!」
ダイニングの方から、私の叫びよりも大きい母の声がした。
その時。
玄関の扉の向こうから、車のエンジン音がした。
かすかに、よく知っている低い声も聞こえる。
(真樹が外に出た!)
肩がピクッと跳ねた。
両手を離して、もう一度鏡を見る。
(デートじゃないから、この服で大丈夫だよね……)
ふぅっと深呼吸をすると、立ち上がった。
鍵置きの横に置いてある、葉っぱを抱えたハムスターのキーホルダーに目がとまる。
同じものを真樹も持っていて、そっちには彼の新居の鍵が付いている。
今日は、そこで荷物の整理のお手伝いをするのだ。
「い、行ってきまうす……」
胸の高鳴りが止まらない。
扉の取っ手をギュッと掴んで、いつも通りを装って家を出た。