君の隣は、呼吸ができる
思わず手を引こうとしたけれど、ビクともしない。
私の心臓が、急に早鐘を打ち始めた。
真樹の手は、小さい頃と違って全然柔らかくなかった。
こんなふうに、
真正面から真樹を見るのは久しぶりかもしれない。
しっかりとした眉も、切れ長の目も、
高く通った鼻筋も、薄い唇も。
昔と違う。
(真樹って……こんな顔してたっけ)
どくん、と一際高い音が胸に響く。
その時、もう片方の手が伸びる。
私のおでこをそっと撫でられて、大げさに肩が跳ねた。
朝、私がぶつけたところはもう痛くないのに、触れられると急に熱を持ったみたいになる。
私の心臓の音が、耳元まで響いてくる。
(真樹なのに、何で……?)
彼の指先がゴツゴツしていて……。
少し、怖い、と思った。
思わず一歩後ろに下がると、ジャリ、と靴の底で砂利が擦れた。