Honey Melty




エレベーターから人が数人、降りてくる。

私と咲間さんの間に流れるなんとも言えない空気にチラチラ。ほんと、この人はどこにいても、何をしていても目立つ。


彼は『来るもの拒まず、去るもの追わず』な人。

ただの後輩でも、その心にぬくもりがなくても、きっと、ぜんぶ、抱きしめてくれる。

そんなふうに、ほんとに、私のことを愛でるみたいに見つめないで下さい。


「咲間さん、私、行きますね。もう時間だし」


逃げるように一歩下がって、ぺこ、と頭を下げると「あ、うん、引き止めて悪かった」と名残惜しそうに触れる手を引っ込めた咲間さん。


「真鳥」


咲間さんは、ずるい人。


「必要でも、そうじゃなくても、もう無理って思ったら俺のこと呼んで」


うっかり、私のすべてが受け入れてもらえるんじゃないかって勘違いしそうになる。


「一人で、泣くなよ」


好きだと、実感させられる。

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