追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
そして肩をすくめる。

「別に」

どうでもよかった。

王宮なら大問題だっただろう。

だがここは辺境だ。

誰も私に期待しない。

誰も監視しない。

自由だった。

そうして、その夜のこと。

暖炉の前で本を読む。

向かいで男が窓の外を見ていた。

静かな時間。

不思議だった。

たった一人増えただけなのに、家の空気が変わった気がする。

私は本から目を離さず言った。

「ねえ」

「なんだ?」

「いつまでいるの?」

男は少し考えた。

そして静かに答える。

「行く場所ができるまで」

私はページをめくる。

「そう」

返事はたった一言だったけれど、本当は少しだけ、安心していた。

家の中が静かすぎるのは、嫌いだったからだ。

もちろん。

そんなことは絶対に言わないけれど。

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