~KissHug~

「歩来…」
って呼んだ。

いつも戯れる時はぷくちゃんだったから。

私は緊張と興奮で鳥肌がたった。
胸の先のとがった部分をかまれて
私は悲鳴をあげた。


「歩来は俺のものだから。
あいつに教えてやる。」


そう言って、胸にキスマークを
何コもつけた。


そしてそれを眺めて
満足してように
少し落ち着いた様子になった。


私は怖くて涙が出ていた。


素良が我にかえって
驚いたように私を見た。


そして夢中になってあらわにした胸を
いつもの表情で見つめた。


「やだ…やめて…
怖いよ…素良…」


キスマークのつけられた胸に
優しくキスをして

「ごめん。」と顔を埋めた。

私はもう嗚咽になって泣きじゃくった。


「何もしないから…ごめん…
こうしてていい?」


しばらく私の胸で素良は目を閉じていた。


「柔らかい…」

素良の顔はさっきの怖い顔から
おだやかな子供のような顔に戻った。


あれから素良はタクシーを呼んだ。

「ごめん。」といってタクシーチケットを持たせた。

私はタクシーの中で
心を落ち着かせた。


しばらく家の前に隠れて
興奮した心を
平常にもどした。

そして、何事もなかったように

「ただいま~」と玄関のドアをあけた。


弟が

「おかえり~~~~」と迎えてくれた。


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