~KissHug~
「ずぶ濡れ……どしたの?
それに来るとこ間違ってない?」

「間違ってない。」

バスタオルで頭を拭いてくれた。


雷がまた頭上で鳴った。


「キャ~ッ!!」
耳を押さえ、素良に抱きついた。


「間違ってるっしょ?」


「間違ってないもん!!」


「洋服さ、どうすんの?
すごいべちゃべちゃだよ。
乾燥機にいれてやるから
シャワーしておいで。」

言う通りについていった。


「乾燥機使い方わかる?」

「うん。」

「じゃ、着替え持ってくるから
入れて乾かしな。」

「ありがと」


シャワーに打たれながら
また涙が出た。
情けなくてみじめだった。


芳樹は私だけ見てると思っていた

それは勝手な思い込み


やっぱり誰が見ても
キレイな千鶴を愛してるんだ


音にまぎれて
大声で泣いた。



  ばか
  いい気になって恥ずかしいから


涙とシャワーが一緒に流れた。
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