~KissHug~
芳樹が母親に会いにいった。

私は待合室で待っていた。


「歩来さんだったね。」
大野医師が私の横に座った。


「素良の友達なんだって?
芳樹とは付き合っているんだよね?」


「あ…はい……」


「素良は、どうしてる?」

「相変わらず冷たいです。」

「きみは、巻きこまれてるのかい?
二人の間に・・・・」



私は、見透かされているようで
何も言えない。



「素良と芳樹の間で揺れてる?」



「はい。正直今、どちらも私にとっては
大事な存在なんです。
一人をまだ、選べません。
あの…
もしかしたら……信じられないことだけど
芳樹と素良は異母兄弟?」



見えない糸が絡み合う


その糸に私は絡まりつつある
雁字搦めに
私の首を締めあげる・・・・
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