~KissHug~
芳樹の坊主はそれなりに見慣れると
ものすごく素敵だった。


「どう?」

「なんか、みとれちゃったよ。
芳樹は、なんでも自分の魅力に
取り入れられるんだね。
うらやましいわ。
たとえ、前歯が一本なくても
それなりに素敵でいられるかな?」


「前歯?
あははは・・・・」


「今度、私を傷つけたら
前歯抜いてもらうかな~」


芳樹の丸い頭が近づいてきた。


ちがう人に抱かれているみたいで
ドキドキした。


「歩来…
これからは、俺の名前何回も呼んで…
俺だけの名前を……」


私は、抱かれている間
何度も何度も
芳樹の名前を呼んだ。



愛してる人は芳樹
今私を抱いてるのは芳樹

そう心も体も確認しているように



「愛してるよ、歩来………」





   素良ばいばい

「芳樹……」

最後の瞬間まで
心に身体にうめこまれた


  これから芳樹だけしか見ないから……
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