~KissHug~
「うん、千鶴さんも連絡とれないって。」

「歩来は?」

「え?もちろん気にしてた……」

「うそつきだな。」

「どうして?嘘なんかついてないし……」


素良が手を離して
力なく投げ出した。


「みんな嘘ばっか……」
口をとんがらせ
駄々っ子のように天井を向いた。

「どうしたの?何かあったの?」

子供になった素良を久々に見た。


「おまえもかあさんと同じなんだろ?」

「おかあさん?
どうして、おかあさん?」

「俺だけのものだったのに
他の奴のものにもなって
俺が一人で
寂しい思いしてるのに
そんな時、他の奴を抱いてるんだろう。」


混乱した。


「おまえは俺を抱きしめてたのに
芳樹のものになるんだろ?
俺を完全に切って・・・・
約束したのおまえじゃん?
状況が変わってもこの関係は変わらないって。」

  芳樹と直接話したの?

素良の目が病んでいた。
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