~KissHug~
廊下をけたたましく走る音



いきなりドアが乱暴に開いた。

「素良!!このバカ者が!!」
そう言って、素良の父親が
眠っていた素良を叩き起こす。


「やめてください!!
素良は傷ついてるのに!!」

私は素良の父親を突き飛ばした。


「素良にひどいことしたら
許さないから!!」

父親は仁王立ちになった。


「おじょうさんは、尻軽女なのか?
素良と芳樹の間で
なにをフラフラしてるんだ?」




口汚く罵って欲しい気分だった。


「なんで、ここにいるの?」

底冷えした目をした
芳樹が病室の前に立っていた。

その隣にリカが笑いをこらえながら
立っていた。
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