~KissHug~
「芳樹、素良、こういう女は
だめだぞ。人生ひっかきまわされるぞ。」

そう言って父親は出て行った。

「歩来、答えろ!!」
芳樹の声が威圧的だった。


「素良が心配だったから・・・・」

「おまえは俺の心配だけしてたらいいんだ。」

「ごめん。」


素良が起き上がった。

「俺が先生に頼んで来てもらったんだ。
歩来を責めるな。」


「往生際が悪いって
おまえみたいなヤツのことだな。
もう、歩来にさわるな!
歩来は俺を選んだんだから」


「わかったよ。
さっき歩来にはっきり言われた。」


私はおどろいて
素良を見た。


素良は悲しい顔で私を見つめた。



「そうなのか?歩来?」
芳樹はいつものような
優しい目に変わった。


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