~KissHug~
それから、私は気が抜けたようになった。
大事なものを
なくしてしまったような
不安な気持ちになった。


勉強も手につかなくて
毎日ぼ~~~っとしていた。


「歩来、勉強してる?」

「うん・・・・」

「なにかあったの?」

「え?」

「なんか変よ。」

「うん~私の人生って
これでいいのかなって~」

「変な子ね。大丈夫なの?」

おかあさんの心配はごもっともだ。

無気力な自分がどうしようもなく
ここにいるから。


素良の出発が近づくたびに
このままでいいのか
葛藤している。

芳樹はいつもの芳樹だったけど
私は前のように
芳樹を見られない。


芳樹が怖くなった。
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