～KissHug～

年末年始は毎年恒例で
祖母の家で過ごした。

芳樹からは、いつものように
電話やメールがきているが
その中に
私のアリバイを求めることが
多くなった。


祖母の家は芳樹と出かけた小樽から
もう少し行った
蘭島というところにあった。


　　いいな～
　　海の写メを送って
　　冬の海ってどんなんなの？

それが心からそうなのか
私のことを疑っているのか
居場所を知っておきたいのか

疑いだしたら
きりがなかった。


今年は雪が少なかった。
祖母の家の前には
海水浴場が広がっている。

夏はうるさいくらいにぎわうけど
冬は本当に寂しくて厳しい海がそこにある。


私は近づけない海の写メを撮った。
海の色は私の心の色

青く澄んだ夏の海は
もうすぐ私のそばから完全にいなくなる


もうすぐ・・・・・
本当にいなくなる


今さら遅い後悔が私を
襲い出していた。