~KissHug~

~77~

「ごめん、歩来・・・・」

芳樹は、あのクリスマスの日のことを
話してくれた。


「正月に、歩来を殴ったよね。
ずっと謝りたかった。
そう思いながら
あのことに触れられなくて・・・・
歩来の姿をみるたびに
目を伏せてきたんだ。」

「あの日は本当に予定より
早く帰ってきて駅をぶらついていたの。
芳樹は女の人といたね。」


「絶えられなかったんだ。
誰かと一緒にいないと
何かに夢中になってないと
おかしくなりそうだった。」


教室には夕日がさしてきた。

「俺小さい頃、かあさんが新しいとうさんに
殴られてるのをみて来た。
かあさんを助けにいっては
とうさんに倍殴られるかあさんを見てた。
暴力を憎んできたのに
愛する女に
俺はその暴力をふるった。」
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